世界初、国際標準規格ISO5491に準拠した ドローンポート情報管理システム「BEPポート|VIS」の β版提供を8月1日より開始
2023/6/26
ドローンの社会実装加速に向け、異機種・複数機のドローン離発着から運航まで、 安全に統合管理・運用する全自動運航システムの実証・協創が可能に
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーショ ン)は、日本発の「物流用ドローンポートシステムの設備要件に関する国際標準規格ISO5491(以下、ISO5491)※1」が国際標準化機構ISOにおいて正式採択・発行されたのを受け、ISO5491が定めるドローンポートシステムの設備要件に準拠したドローンポート情報管理システム「BEPポート|VIS」※2を開発し、そのβ版の提供を物流や点検事業者、UTMサービスプロバイダー、ドローンポートおよびドローン機体メーカーなどに向けて8月1日より開始します。
これにより、国内外において個社別に進められていたドローン物流などにおけるドローンポートおよび関連システムの開発や運用実証、事業化検討などが国際標準規格下で行われるようになり、公共性の高い社会インフラとして期待されているレベル4での異機種・複数機のドローンを活用した目視外・全自動ドローン運航管理システム開発の加速が期待できます。
ドローンポート情報管理システム「BEPポート|VIS」とは
ドローンポートシステム※3は、ISO5491においてドローンポート※4、気象センサや侵入検知センサなどの周辺機器、それらの情報を統合管理するドローンポート情報管理システム(VIS:Vertiport Information System)※5を包含するものと定義されており、ドローンの格納および離発着場として離発着時の安全確保や雨風・気温などの周辺状況の把握、ドローンへの充電、荷物の受け渡しなどを行うと共に、それらの情報をリアルタイムに各連携システム・デバイスと共有し、運航管理者や利用者をはじめとした各種ステークホルダーに提供する重要な役割を担います。
ブルーイノベーションは、独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®(以下 BEP)」※2をベースに、ドローンポートやドローン、各種センサーなどの周辺機器のメーカー、機種を問わず接続、遠隔で統合管理・運用するドローンポート情報管理システム「BEPポート|VIS」を開発しました。
BEPポート|VISはISO5491に準拠した機能(下図)を実装しており、ドローンポートの稼働状況や各種センサーによるドローンポート周辺の安全確認などの各種情報を一元的かつリアルタイムに集約・管理し、他システムとも共有・連結することで、一連かつ複数のドローン運用オペレーションを安全に遂行させます。
BEPポート|VIS 開発の背景と今後について
2022年12月5日の改正航空法施行にともなう「無人航空機の有人地帯での目視外飛行(レベル4)」の解禁を受け、全自動・目視外でのドローン運航実現に向けて様々なドローンポートやドローン機体、周辺機器・サービスの開発が進んでいます。
一方で、それらの開発や機能実装などが個別最適化で進んだ場合、特定のサービスやドローン機体でしかドローンポートが運用できなくなる恐れがあります。ドローンの社会実装のためにはハードのメーカーや種別を問わないシステムの拡張性と、サービス内容に合わせた運用の柔軟性が必要です。
ブルーイノベーションはその重要性にいち早く着目し、2017年より国土交通省とともにドローンポートシステムの研究開発および利活用を推進してきました。さらに、ISO/TC20/SC17 WG1のコンビーナおよびISO5491のプロジェクトリーダーを務め、経済産業省や国内外のエキスパートとともに日本発となるドローンポートシステムの国際標準化活動に取り組んできました。
そしてこの度、ISO5491の正式発行を受け、その要件に準拠したシステム「BEPポート|VIS」を開発、UTMプロバイダー、ドローンポートおよびドローン機体メーカー向けにβ版によるPoCサービスの提供を開始します。
今後、ブルーイノベーションは物流事業者や点検事業者、UTMサービスプロバイダー、ドローンポートメーカーなど共に物流や災害対策、点検、測量などさまざまな分野におけるドローン利活用を進め、社会課題の解決支援、安心安全な空のインフラ構築に貢献していきます。
■用語説明|事例紹介
※1) 日本発の物流用ドローンポートシステムの設備要件に関する国際標準規格ISO5491
2019年のISO/TC20/SC16南京総会において、日本が提案し採択され活動を開始し、2023年6月2日に正式発行。150kg以下のVTOL電動貨物UAS(垂直離着陸式の無人航空機システム)を扱うVertiport(ドローンポート)が自動離着陸オペレーションを実現するために必要なインフラストラクチャと機器の要件を規定している。正式名称は「Vertiports — Infrastructure and equipment for vertical take-off and landing (VTOL) of electrically powered cargo unmanned aircraft systems (UAS)」。
なお、本規格は経済産業省の委託事業(省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費省エネルギー等国際標準開発(国際標準分野(新規対応分野)))によって標準化された。
【ご参考リンク】
・国際規格ISO5491のダウンロードページ(ISOサイト内)
https://www.iso.org/standard/81313.html
・国際標準規格 ISO5491の正式採択・発行について(弊社発表資料)
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20230626_1.html
※2)Blue Earth Platform® およびBEPポート|VIS
ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®︎」をベースに開発したドローンポート向け情報管理システム。ドローンポートやドローン、各種センサーなどの周辺機器のメーカー、機種を問わず接続、遠隔で統合管理・運用することができる。高精度離着陸機能、ポート周辺の複数ドローンの運行管理機能、ポートへの人等の侵入検知機能、ポート周辺の風向風速情報管理機能を備えており、ドローンの安全な離着陸を実現。
【Blue Earth Platform®|BEP】
ミッションをベースに複数のドローンやロボット、各種デバイスを遠隔・目 視外で自動制御・連携させることができる、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォーム。複数のドローンやロボットをBEPで統合管理し、さらに各種OS(建物OS等)やシステムと連携させることで、単体では成し得なかった広域での任意・複数のミッションを同時に遂行させることができる。
詳細はこちら https://www.blue-i.co.jp/technology/bep/
※3)ドローンポートシステム
ドローンポートや各種センサーなどのハードと、ドローンポート情報管理システムを内包したシステムのこと
※4)ドローンポート
ドローンの離発着場でありドローンの格納や充電などの付帯機能などを備えたハードウェアのこと
※5)ドローンポート情報管理システム(VIS)
ドローンポート、気象センサーや侵入検知センサーなどの周辺機器、およびそれらの情報を統合管理するシステムソフトウェアのこと
【BEPポート|VISの機能を活用したドローンポートシステム社会実装・開発事例】
■仙台市災害時広報ドローンポートシステム
2022年10月より仙台市が本格運用を開始した「津波避難広報ドローンシステム」。東日本大震災に係る復興の経験と教訓から開発・導入したもので、Jアラート(全国瞬時警報システム)と連動してドローンを自動運航し、津波避難広報を実施。ブルーイノベーションは、周辺状況や複数のドローンならびにドローン格納庫の稼働状況を、一元的かつリアルタイムに集約・管理し、自動で離陸命令を発信するVISを担当し一連の飛行・離着陸オペレーションに安全に貢献。
【詳細はこちら】
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20221124.html
■次世代モビリティ連携を視野に入れたドローンポート&管理システム
トヨタ自動車が開発しているモビリティ連携システムに対し、ドローンの統合管理・制御に強みを持つブルーイノベーションが開発をサポート。ドローンポートによる荷役作業等を自動化し、ドローンや外部システムと連携して運行を管理。ドローン運用における付帯作業の省人化に寄与。ユースケースに応じて、機能を選択することで様々な用途に適応可能。
【詳細および紹介動画はこちら】
https://www.blue-i.co.jp/technology/partner/toyota/index.html
■災害用ドローンポートシステム
ブルーイノベーションが開発を進めている「災害用ドローンポートシステム」は、災害時情報の発信と関係各所間での共有、それに基づくドローンによる物資輸送の運航を一元運用・管理。災害時、道路遮断などの影響を受けないドローン輸送が必要最小限の体制・人員で実施できるようになり、救援物資輸送の迅速化と作業負担の軽減を可能にする。
【詳細および紹介動画はこちら】
https://www.blue-i.co.jp/solution/logistics/port_02.html
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