都産技研とブルーイノベーション、5G通信技術を活用し バーチャル化した工場などの施設内を巡回・点検できる 「360°実写VRマップ自動生成・更新システム」を共同開発
2022/3/4
複数ロボットが施設内を自動巡回・撮影する度に実写VRマップを自動更新。 設備改修をせずにスマート保安化を実現し、工場DXを推進
地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター(本部 東京都江東区、理事長 奥村 次徳、以下 都産技研)とブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、この度、工場などの施設内を360°実写VRマップ化し、マップ内を巡回しながら、任意の設備や機器を点検できる「360°実写VRマップ自動生成・更新システム」を開発しました。
「360°実写VRマップ自動生成・更新システム」は、360°カメラを搭載した複数の自動走行ロボット(Automated Guided Vehicle、以下 AGV)が移動しながら施設内や設備・機器を自動撮影し、ブルーイノベーションのデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®(以下 BEP)」※ 上で施設全体を実写VR化すると共に、点検したい個々の設備・機器の画像を表示します。マップ作成のための高容量データを高速通信できるよう、5G通信にも対応しています。
開発の背景とポイント
従来の巡回点検は、施設内を担当者がくまなく巡回することで、点検対象となる機器の確認だけではなく、設備の損傷やオイル漏れなど設備の状況を広範囲に把握しています。しかし、ベテラン点検員による目視点検が主流のため、人手がかかる、判断基準があいまいになる、情報が共有しづらい、などの課題がありました。
これに対し、360°ビューワーや3Dモデリングによる広範囲なデジタルデータの生成が有効とされていますが、データの撮影やマップの生成を人手で実施する必要があるため、結果的に効率が悪くなり、更新頻度も低くなってしまうという課題があります。
そのような背景から、「360°実写VRマップ自動生成・更新システム」では、BEPで統合管理されている360°カメラを搭載したAGVが自動巡回し、施設内や点検対象データの取得から実写VRマップ生成・更新までを自動化しました。これにより、担当者による巡回が不要となるだけではなく、AGVが走行する度に実写VRマップが更新され最新の施設状況が把握できる、実写VRマップ上で巡回・点検できるため遠隔から直感的に確認・共有できる、アナログな施設・機器情報も含め施設全体をデジタル化することでDX化に不可欠なデジタライゼーション(情報のデジタル化)が進み、業務の共有化や効率化が向上する、などのメリットがあります。
「360°実写VRマップ自動生成・更新システム」の特長
・複数のAGVが自動巡回し、施設内の360°データや点検対象の画像データを自動生成・更新
・BEPで実写VRマップを自動生成し、点検用データも実写VRマップ上に自動マッピング
・BEP上で実写VR空間を巡回することで、従来の巡回点検の代替が可能
・5G通信にも対応しており、高速データ通信が可能
今後の展開
「360°実写VRマップ自動生成・更新システム」は、3月9日(水)~12日(土)に東京ビックサイトで開催される「2022国際ロボット展」の都産技研ブース(東ホール ブースNo.E7-17)内ブルーイノベーションエリアでAGVの実機展示ならびにデモ映像を上映する他、6月上旬から都産技研においてデモ見学を開始する予定です。
なお、この共同開発は、都産技研で実施している中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業 公募型共同研究として行われ、都産技研からの研究資金支援の元、同所のDX推進センターのローカル5G基地局を活用し、現場を想定したAGVの通信試験や走行試験等を実施したものです。
※ Blue Earth Platform®(BEP)は、ミッションをベースに複数のドローンやロボット、各種デバイスを遠隔・目視外で自動制御・連携させることができる、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォームです。複数のドローンやロボットをBEPで統合管理し、さらに各種OSやシステムと連携させることで、単体では成し得なかった広域での任意・複数のミッションを同時に遂行します。詳細はこちら(https://www.blue-i.co.jp/technology/bep/)をご覧ください。
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