石川県白山市において、実運用を想定した複数のセルラードローン同時飛行を実施

2021/11/4

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と白山市、ブルーイノベーション株式会社(以下、ブルーイノベーション)、株式会社ドローンショー(以下、ドローンショー)は2021年11月4日(木)に無人航空機(以下、ドローン)の運航管理システムの実用化に向け、同一空域でそれぞれ異なる使用目的を持つ複数のドローンを運航する実証実験を実施しました。

本実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト※1/地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」に係る公募に北陸地方において唯一採択されたものです。

国内の山間部地域においては、人口減少と高齢化による過疎化に伴い、耕作放棄地の増加や住民活動の減少による鳥獣被害の課題や、都市部と比較して交通弱者が増えることによる買い物難民等の課題が増えています。さらに災害時の安全確認では、現地への駆けつけに時間を要するという課題や、確認作業に危険を伴うという課題もあります。このような中、地域におけるドローンを活用した空からの安全監視、物資の輸送や災害時等の空撮への期待が高まっています。しかし、ドローンの活用を拡大していくには、住民の生活の場の上空を複数台のドローンが、安全に飛行することが求められます。複数ドローンの同時飛行を実社会で実現するには、ドローン操縦者の目視外飛行や自律で飛行するドローンが衝突回避できるように運航管理をする必要があります。

本実証実験では、ドコモのドローン用通信(LTE上空利用プラン※2)の利用により、上空からドローンの位置情報をリアルタイムに送信し、NEDOが提供する運航管理システム※3へ送信します。同じ空域内での3つの利用事例を同時運航し、ドローン同士が接近した際の運航管理システムの情報を確認し、安全を確保した飛行を適切に行えるか確認します。

今後、レベル4飛行(有人地帯の目視外飛行)※4を実現していくにあたり、目視外の飛行の際の運航管理は、安全面において非常に重要となってきます。今回の実証では、異なる事業者が、それぞれ異なる方法で運航管理システムと接続することを想定し、鳥獣調査、物資輸送、空撮の3つの目的でドローンを同一時刻・同一空域にて飛行した場合でも飛行位置を確認し、衝突を回避して安全に運用できることを確認しました。

今後も実運用に向けたビジネスモデルの検討に取り組んでいくとともに、本公募に参加した各社との連携により、レベル4の実現を見据え、安全かつ効率的なドローン運航に向けた事業を推進していきます。

※1:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社がNEDOから受託した「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発/地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」の公募について(URL:https://www.nedo.go.jp/koubo/CD2_100235.html)

※2:LTE上空利用プランとは、ドコモが提供するドローン向けのプランです。月額49,800円(税込)で上空におけるLTE通信を月間データ容量120GBまで利用可能です。

※3:NEDOのプロジェクトの一環として開発され、運航管理の対象とする空域およびその空域内を飛行するドローンの情報を集約し、地図情報や気象情報などを参照しながら、対象のドローンの運航を管理および支援することで、複数の機体による空域の共用を安全かつ効率的に行うためのシステムです。

※4:小型無人機(ドローン)の飛行レベルは、「レベル1:目視内での操縦飛行」「レベル2:目視内飛行(自動/自律飛行)」「レベル3:無人地帯における目視外飛行」「レベル4:有人地帯における目視外飛行」と定義されています。

リリースの全文はこちら(PDFファイル:512KB)

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実証実験の概要

実証実験の背景

2021年6月28日に小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会にて策定された「空の産業革命に向けたロードマップ2021」※1 においては、2022年に有人地帯での目視外飛行(レベル4)を実現することを目標とし、レベル4の実現に向けては上空における通信の確保などの環境整備、複数機体の運航管理等に向けた技術開発と持続可能なビジネスモデルの確立等による社会実装の方向性が示されています。
そのため、2019年10月に実施された同一空域で複数事業者の無人航空機が安全に飛行するための運航管理システムとの相互接続試験※2をはじめとして、運航管理システムの実用化に向けた試験が行われてきました。
本実証においては、実際の地域課題への対応を通じて、実運用における課題を洗い出し、ドローンの活用による省人化・省エネルギー化の実現、社会課題の解決につなげることを目的としています。

実証実験の概要

1. 実証実験期間

2021年11月1日 ~ 2021年11月4日

2. 場所

金沢工業大学 白山麓キャンパス
石川県白山市瀬戸辰3-1

3. 実証実験内容

ドコモが提供するドローン向け通信サービス「LTE上空利用プラン」の活用により、上空からドローンの位置情報をリアルタイムに送信し、ブルーイノベーションのデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform」※3をベースに開発された運航管理システムを通して、NEDOが提供する運航管理システムへ送信します。同じ空域内で3台のドローンを同時運航し、ドローン同士が接近した際の運航管理システムからのアラートを確認し、相互に距離を取り安全を確保した運用を適切に行えるか確認します。

【今回の実証実験におけるユースケース】
① 鳥獣調査
・鳥獣出没の調査や監視
・リアルタイム映像伝送(地上から5Gにて送信)
② 物資輸送
・山間部への小口配送
・災害時の緊急物資輸送
③ 空撮
・建物や建造物の高所点検

4. 各社の役割

役割
 ドコモ  プロジェクト全体統括、ドローンの通信環境の提供(LTE上空利用プラン)
 白山市  実証フィールドの提供・申請及び調整業務・地域住民へのお知らせ
 ブルーイノベーション  飛行オペレーション、運航管理システム開発およびAPI接続開発
 ドローンショー  飛行オペレーション、運航管理システム接続用端末を搭載可能な独自機体の提供

5. 各社企業概要

株式会社NTTドコモ 概要

代表:代表取締役社長 井伊 基之
所在地:東京都千代田区永田町 2-11-1 山王パークタワー
URL:https://www.nttdocomo.co.jp

白山市 概要

市長: 山田 憲昭
所在地:石川県白山市倉光二丁目1番地
URL:https://www.city.hakusan.lg.jp/

ブルーイノベーション株式会社 概要

代表:代表取締役社長 熊田 貴之
所在地:東京都文京区本郷5-33-10 いちご本郷ビル4F
URL:https://www.blue-i.co.jp/

1996年6月設立。
複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理するためのベースプラットフォームである Blue Earth Platform(BEP)を軸に、以下ソリューションを開発・提供しています。
・ プラント・工場・水道インフラ DX ソリューション(スマート点検、3D モデル化など)
・ 通信インフラ・フィールドメンテナンスソリューション(送電線・携帯基地局点検、森林測量など)
・ 流通・物流 DX ソリューション(倉庫内在庫管理、物流など)
・ スマートオフィスソリューション(警備・防犯、監視など)
・ 人材育成・トレーニングソリューション(社内人材育成、子ども向けプログラミング、JUIDA ライセンス教育など)

株式会社ドローンショー 概要

代表:代表取締役社長 山本 雄貴
所在地:石川県金沢市泉野出町3-9-3
URL:https://droneshow.co.jp/

2020年4月設立。
LEDを搭載した自社製ドローンと、ドローン群制御技術を開発する国内唯一のドローンショー開発会社です。システムの開発だけではなく、サービスとしてドローンショーをご提供するための企画、アニメーション制作、プロジェクト管理、現場オペレーションまですべて自社で手がけています提供サービスは以下の通りです。
・ 屋外ドローンショー
・ 屋内ドローンショー
・ ドローン空撮、点検業務
・ ドローン講習やワークショップの企画、運営
・ 産業用特殊ドローン機体開発

※1:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai16/siryou4.pdf
※2:https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101228.html
※3:Blue Earth Platform(BEP)とは、ミッションをベースに複数のドローンやロボット、各種デバイスを遠隔・目視外で自動制御・連携させることができる、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォームです。複数のドローンやロボットを BEP で統合管理し、さらに各種OS やシステムと連携させることで、単体では成し得なかった広域での任意・複数のミッションを同時に遂行させることができます。 (URL:https://www.blue-i.co.jp/technology/bep/

 

 

 

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