[Flyability事例]ELIOS 3よる陥没穴の緊急調査
2025/11/21
ELIOS 3は、未知の陥没穴を調査する唯一の手段として、リヨンの緊急事故で使用されました。
メリットの概要
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アクセス ELIOS 3によってのみ、地下に開いた空間の広さを明確に把握することが可能となりました。 |
迅速性 ELIOS 3による飛行は数分以内で完了し、重要なデータを迅速に提供することができました。 |
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安全性 陥没穴が開き、緊急対応要員や周辺住民に危険が及んでいたところ、ELIOS 3によりそのエリア内を安全かつ遠隔に確認することができました。 |
データ品質の向上 ELIOS 3のLiDARスキャンが、隣接する建物の基礎が脅かされ、洞窟となっているか否かを判断することに貢献しました。 |
リヨンが現在の有名都市になるずっと昔、この地は紀元前43年に設立されたローマ時代の都市、ルグドゥヌムでした。現在、リヨンには多くの観光名所があり、ローマ時代の歴史を日々感じることができます。
しかし、街の下にはローマ時代の遺跡があるため、安全上の問題が存在します。時には地面が陥没し、その下にある廃墟となった下水道、古い建物、貯蔵庫などのローマ時代の建造物が露わになることもあります。そのため、地方自治体は、公共の安全を守るため、地面に突然穴が開くなどの予期せぬ地質変動を注意深く監視しています。
自治体による新技術の活用:ドローンによる緊急対応
リヨンの住宅街で、アパートの隣に大きな穴が開きました。リヨン市は、その穴の下にローマ時代の遺跡がある可能性を直ちに疑いました。そうであれば穴は拡大し、その上の建物に被害を与えるおそれがあります。さらにその建物が倒壊すれば、隣りの建物を含む周辺住民も危険にさらされることになります。
専門点検会社であるXenodrone社は、リヨン市から緊急の点検依頼を受けました。Xenodrone社の代表であるJulien Gay氏は元消防隊員であり、このような緊急事態の緊急性や柔軟性が必要とされる状況をよく理解しています。彼は、地下でも飛行できるドローン「ELIOS 3」が、自治体が必要とする重要なデータを収集するのに最適なツールだと考えました。
地盤沈下への対応に地下ドローンを活用
Julien氏が現場に到着すると、建物の壁からわずか2.5 メートルの場所に穴が見つかりました。彼は、この地域から数キロ離れた場所で、地下にローマ時代の坑道が見つかったという事例を耳にしており、ここでも同様の事態が発生している可能性があると判断しました。
ドローンがなければ、地盤沈下に関する情報を安全に収集することは困難です。空洞は暗く、その深さや活動状況も不明でした。ELIOS 3を地下に送り込むことが、安全かつ明確なデータを取得するための唯一の方法だったのです。現場は不安定な状況でしたが、ドローンが遭遇するリスクは、建物内や周辺地域の人々に及ぶ潜在的なリスクに比べれば、はるかに小さなものでした。
Julien氏は、土地の沈下がさらに進む差し迫った危険があるかどうか、また、空洞が建物に向かって拡大しているかどうかを判断するよう依頼されました。そのためには、その空間内のLiDARデータを収集し、詳細に分析できる3Dモデルを作成する必要がありました。ELIOS 3の飛行速度とLiDARスキャナーが作成する点群の密度のおかげで、点検飛行はわずか4分で完了しました。
地下ドローンを用いた地盤沈下分析
Julien氏は、より迅速にLiDAR スキャンを収集しました。ドローンを空洞内に垂直に降下させ、空間内で360 度の回転を行い、FlyAwareの点群が完全なモデルを表示すると、ドローンを空洞から脱出させました。
最初の結果では、空洞は6メートルの深さで巨大なものであることがわかりました。ELIOS 3が取得したデータの正確さにより、Julien氏は空洞の寸法と形状に関する明確な情報を提供することができたのです。
Julien氏は、Inspector 5を使用して迅速に報告書を作成、自治体に明確な結果を提供しました。LiDARスキャンによるデータは、穴の近くの建物に対するリスクのレベルを判断するために使用され、視覚的なデータは、測量士が洞窟内の状況(地質学的特徴か、ローマ時代の建造物の残骸か)を把握するための参考情報となりました。
ELIOS 3の柔軟性が緊急対応を強化
状況が大きく変化しやすいこのようなミッションでは、ELIOS 3は迅速なデータ収集に最適なツールです。他の方法では不可能なデータを、わずか 4分の飛行で収集することができたのです。さらに、誰も穴に近づいたり穴の中に入ったりすることなく、データを安全に収集することができたことも特筆すべき点で、このシナリオでは、パイロットの安全が確保されたことで、現地の緊急対応チームも安心し、点検に伴うリスクも軽減されました。
Julien氏は、このミッションによって、プロジェクト関係者たちのドローンに対する信頼が高まったと説明しています。「私たちは迅速な対応を誇りにしていますが、消防士だった頃、スピードが命のこのようなケースを何度も目にしたことがあります。今では、ELIOS 3を使用して日常的な建物の点検を行うことができますが、緊急対応でも、意思決定に必要な重要なデータを収集するために当社のサービスを活用できることは明らかです」と Julien Gay氏は述べています。このプロジェクト以降、Julien氏の報告書は、63立方メートルを埋め戻して地盤を安定させるため、穴の下にある泉を見つける対応チームの作業に役立つこととなりました。
今では、地方自治体は、直面している状況を明確に把握した上で、地盤沈下の対処方法を計画することができます。また、地盤が変動した場合でも、Julien氏は ELIOS 3を使って現場に戻り、さらにデータを収集することが容易になりました。このデータは、既存のデータと重ね合わせて、変化を追跡し、将来の動きを予測するために活用することができます。ELIOS 3は、Julien氏が他のサービスプロバイダーとの差別化を図り、安全とスピードが最優先されるミッションを遂行するのに貢献しました。
■出典:Flyability社,
Underground Drones For Emergency Response: Investigating A Sinkhole
https://www.flyability.com/casestudies/underground-drone-emergency-response
ブルーイノベーション株式会社
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