点滴穿石

2023/3/15

社外取締役 監査等委員 野島 威

「人間が頭で考えることはすべて実現可能である」との名言を私は信じています。未来を描いた映画にあった空飛ぶ自動車や近未来都市も、今では現実のものとなりつつあります。それと同様に、世の中こういう風になって欲しいと言う夢もまた、現実になりつつあります。ドローンやロボットが人間の代わりに世の中の不便や人間がやれないことを瞬時に解決してくれる、そんな世界を思い描き現実のものとする、それがブルーイノベーションだと考えています。

例えば、危険すぎる高所での作業、上空から俯瞰的に見て判断する作業、鳥のように運び時間を短縮してくれる作業、逆に下から覗いて進める作業など数えたらきりがありません。もちろんそれらを実現するためには、実行を可能にするハードウェアとそれを支えるエネルギーの長時間のサポートやソフトウェアなどがなくてはなりません。また、継続的な企業運営が可能な利益をもたらすことができるかなど、多くの課題があります。ドローンによるデリバリーも一部を除いて採算性が取れているとはいえず、いまだ実証実験に留まっています。ハードの進化とそれを支える長時間持つバッテリーなど車社会と同じような課題がありますが、時間と共に解決が計れると考えています。ブルーイノベーションは今解決できることから着手して、今できる範囲で可能な限りの問題解決にあたっています。そして、さらに先を見据え、ブルーイノベーションの最重要デバイスデータ総合プラットフォームであるBEP(Blue Earth Platform)を活用しプラント点検、送電線点検、自動巡回点検などの点検分野、ドローンポートのシステムやドローンに関する教育システムなど様々なソリューションに力を入れて展開しています。

なかでも私が今期注目しているのは送電線点検と教育です。 送電線点検(BEPライン)は数年前より大手電力会社と共同開発を進め、センシング技術により安定した自動点検作業を実現しました。今ではその幅をさらに広げ横展開が出来るレベルになっており、同様のインフラを有する海外のいくつかの国や地域も興味を示しています。

教育はブルーイノベーションが早くから熱心に取り組んできた分野です。今まで携わってきたドローンの基礎教育、応用教育に加え、レベル4飛行の実現と国家ライセンスの登場でますます教育が重要視されています。日本の抱える種々の問題(少子高齢化、労働力不足,インフラ老朽化、自然災害など)を解決する手助けとなるドローンの操縦ライセンスやそれにまつわる色々な規制対応やサービスを総合的に提供できるトップの企業として、より一層強く存在し続けて欲しいと思います。

これからも点検、教育のほか様々なソリューションが出てくると思いますが、必ず小さくてもその分野でナンバーワンになるよう努力し、必ずそうなってもらいたい。また、ブルーイノベーションの恵まれた点は、様々なソリューションを立ち上げる時にこれまで大変良いパートナーに出会ってきたことです。その分野で様々なノウハウや課題を知り尽くしている企業とのコラボは、ブルーイノベーションにとって柳の枝に飛びつく蛙のごとく、技術のさらなる向上をもたらします。これからは日本のみならず、世界のいたるところで良きパートナーと出会い、さらなる成長を極め、真にグローバルな企業になれる。私はそう信じて、これからもブルーイノベーションをバックアップし続けていきます。

社外取締役 監査等委員 野島 威

プロフィール

2015年7月ブルーイノベーションに取締役として参画。以前は株式会社バンダイにおいて、バンダイ香港シンガポール支店長、バンダイ海外事業部部長、BANDAI(H.K.)CO.,LTD. 代表取締役社長、BANDAI AMERICA INC. 代表取締役社長、株式会社バンダイ取締役、グローバル事業統括部ゼネラルマネージャーを歴任。2004年株式会社トイカード代表取締役社長を経て、同社相談役に就任。早稲田大学文学部社会学科卒業。

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