インフラメンテナンスの新技術5選と活用事例を解説
2023/10/24
インフラメンテナンスは、現代社会において重要な役割を果たしています。道路、橋梁、送電線、発電所、上下水道など、私たちの生活に欠かせないインフラを適切に維持し、安全性を確保するためには、定期的な点検と保守が必須です。しかし、メンテナンス作業には高いコストや危険な作業を伴う場合があります。そのため、インフラメンテナンスに活用できる新技術を導入しこれらの課題を解決することが求められています。
本記事では、インフラメンテナンスにおける新技術を紹介し、それぞれの技術の活用事例を具体的に解説します。
− この記事の目次 −
インフラメンテナンスに使われる新技術5選
- ドローン点検技術
- IoTを活用したリアルタイムモニタリング
- ロボットを使った危険作業の代行
- AI(機械学習)による診断
- AR/VRを活用したリモートトレーニング
新技術が活用されるインフラの具体例
- 道路・橋梁
- 送電線
- 発電所
- 水道・下水道
インフラメンテナンスへの新技術導入における課題
ドローン点検ならブルーイノベーションにお任せ
インフラメンテナンスに使われる新技術5選
ドローン点検技術
ドローンを用いた点検技術は、インフラの視覚的な監視を効率的に行う手法として急速に普及しています。特に、橋梁や鉄塔など高所や危険な場所にある構造物の点検において、ドローンは大きな利点を持っています。他には、下水道管内など劣悪な環境での作業を代替します。
高解像度のカメラやセンサーを搭載したドローンによって、設備の状態や損傷をリアルタイムで評価できます。
IoTを活用したリアルタイムモニタリング
IoTを活用することで、インフラのリアルタイムモニタリングが可能です。各種のセンサーを設置し、データをインターネット経由で収集し、評価や分析することで、異常の発生や異常につながる状態変化を早期に検出できます。それによって、故障やメンテナンスが必要な箇所を迅速に特定し、修復作業を効率化できます。
また、インフラは予防保全をすることも重要です。予防保全とは、センサーで得たデータから故障の兆候を分析して、故障発生前に修理やメンテナンスをすることです。
ロボットを使った危険作業の代行
高所など危険な環境は、作業者にとって安全性に対する高いリスクがあります。危険作業をロボットが代替することで、作業者の安全性を向上させられます。
ロボットであれば、爆発性のガス環境下での点検や、高温の環境でのメンテナンス作業が可能です。他には、トンネルや橋梁、水中、管路などのメンテナンス作業もロボットが行えます。
AI(機械学習)による診断
AIと機械学習アルゴリズムを活用することで、インフラの状態の診断技術を向上させられます。収集したさまざまなデータをAIによって解析し、損傷の予測やメンテナンススケジュールの最適化を行います。AIを活用することで予防的なメンテナンスを行い、長寿命化できます。例えば、鉄塔や橋梁などの画像から画像認識技術によって、錆びやクラック、塗装剥がれなどを検出できます。
AIを活用することで、大量の画像を人が目視で確認する手間を削減でき、効率化を実現します。
AR/VRを活用したリモートトレーニング
インフラメンテナンスをする際には、経験の少ない作業者へのトレーニングが必要です。拠点と作業現場が離れている場合や、危険な場所でのトレーニングが必要な場合、リモートトレーニングが効果的です。
拡張現実(AR)や仮想現実(VR)技術を活用したトレーニングプログラムは、仮想空間でのトレーニングを提供し、技術の迅速な習得をサポートします。例えば、ボルトの締結チェックをする箇所を明示、熟練作業者の動作を記録してトレーニング教材として活用するなどさまざまなリモートトレーニングが可能です。
新技術が活用されるインフラの具体例
道路・橋梁
ドローンを活用して、道路や橋梁の表面のひび割れや構造の劣化、錆びなどを監視し、維持管理を効率化します。また、ドローンの活用は視覚情報を得るためだけにとどまりません。例えば、ドローンにハンマーと音響センサーを取り付け、橋梁底面の打音検査をするなどの活用が行われています。
他にも、橋梁に温湿度センサー、ひびの隙間を測定するセンサー、加速度センサー、傾きセンサー、震度センサーなどを設置してデータを収集し分析できます。例えば、温度とひびの大きさが連動しているかどうか、もし連動しない場合は異常があって拡大している可能性があると分析します。
また、IoTセンサーによるリアルタイムモニタリングは、道路の交通量変化の監視に有効です。収集したデータを機械学習によって分析し、異常を検出し交通管理に活用できます。
送電線
鉄塔に作業者が登ぼって送電線の点検をする際には危険が伴います。また、地上から撮影する場合には難易度が高い作業となります。ドローンやロボットを使用すれば、送電線や鉄塔の状態を定期的に監視し、点検を自動化することが容易になります。また、IoTで収集したデータを、機械学習によって分析しリアルタイムに監視できます。
発電所
発電所では、IoTとAIによる診断技術が適用されており、消費予測と効率的な供給を可能にしています。また、ドローンやロボットが自動で飛行・走行して検査箇所を撮影し、機械学習によって異常を判断するシステムもあります。
水道・下水道
水道や下水道の設備においても、IoTセンサー、ドローン、ロボットによるメンテナンスが行われています。
管路の中は狭かったり酸素が少なかったりと、危険で劣悪な作業環境なのでドローン、ロボットが点検や清掃を代替しています。また、振動センサーや水質センサー、管内カメラなどを設置し、AIの診断によって漏れを検出することで、早期に対応が可能となります。
インフラメンテナンスへの新技術導入における課題
新技術の導入にはいくつかの課題があります。導入コストや、プライバシーへの配慮、新技術の使いこなしなどが挙げられます。また、新技術を導入する際には、コストに見合った効果が得られるかを示して導入を進める必要があります。
技術を詳しく理解して、どの技術が適切であるかを判断するための技術者のスキルも必要となってきます。
ドローン点検ならブルーイノベーションにお任せ
新技術の導入や運用には専門的な知識と経験が必要です。ブルーイノベーションは、ドローン点検などの最新テクノロジーを活用したインフラメンテナンスサービスを提供し、お客様のニーズに合った解決策を提供します。
パートナー企業との協業により現場で使えるさまざまな実績があります。興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
インフラ設備点検に最適な点検ドローン「ELIOS 3」の紹介
ELIOS 3は、人が立ち入るのが困難な場所にアクセスし、リアルタイムに3次元データ化。安定飛行を可能にする最新のSLAM技術により、桁下等のGPSが届かない場所でもパイロットの操縦負担を軽減します。球体ガードと衝突耐性があるため、狭い場所でも安心して飛行可能です。
「ELIOS 3」を活用したインフラ設備点検
・ELIOS 3の最新のSLAM 技術の活用によって、桁下や箱桁などGPSの効かない環境でも安定して飛行できます。
・球体ガードと衝突耐性があるため、狭隘部に入り込んでの撮影が可能です。
・上下180°チルト可能なカメラを搭載しており、床版の天面等の撮影ができます。
・照度16,000ルーメンのLEDライトにより、暗所での撮影が可能です。
・LiDAR(3Dスキャナー)によるリアルタイムマッピングと専用のソフトウェアにより、ひび割れ等不具合箇所の位置特定が可能です。
詳しい技術内容に関しては「ELIOS 3 紹介ページ」のフォームからお問い合わせください。
国土交通省「点検支援技術性能カタログ」に掲載
弊社のドローンを活用した橋梁点検技術が、国土交通省「点検支援技術性能カタログ」に掲載されています。
点検支援技術性能カタログとは、国管理施設で技術を検証した結果をまとめたものです。直轄国道の橋梁においては、2023年度から一部項目への点検支援技術の活用を原則化しており、基本的にはカタログ内の技術を選定する必要があります。
橋梁へのドローン点検活用を検討される際には「点検支援技術性能カタログ」の実験結果もぜひ参考にしてください。
【技術名・技術番号】
ドローンを活用した橋梁点検技術(ELIOS3)|技術番号 BR010060-V0023
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