九州電力がELIOS 3を正式導入
自社で培った点検・課題解決ノウハウを全国へ

2023/5/19

九州電力株式会社 様

ドローン操縦者110名、機体保有数126機、年間飛行回数850件(2021年度)と、国内有数の規模・実績を誇るドローンチームを有する九州電力。その国内トップクラスのドローンチームに、屋内点検用球体ドローンELIOS シリーズ最新機種「ELIOS 3」が正式導入されました。背景には、自社グループ施設点検業務の効率化に加え、培った高度な点検技術を通して、九州全域に留まらない全国のインフラ維持に貢献したいという想いがありました。

※2022年9月時点

すべては「電気を安定してお届けする」ために。

九州電力がドローン事業を始めたのは2015年、電気設備の通常巡視・点検に加え、災害発生時の被害状況確認を目的としたものでした。九州地方は、全国的にも台風や集中豪雨による水害、土砂災害、地震など自然災害が多い地域です。災害発生後、早期復旧のためには一刻も早い被害状況把握が必要ですが、土砂崩れや道路の陥没などにより人が立ち入れない場合も多く、遠隔から確認できるドローンが非常に有用となります。
災害現場でのドローンの有用性を強く印象付けたのが、2016年に発生した熊本地震でした。九州電力も多くの電力設備に被害を同時多発的に受け、ドローンによる迅速かつ遠隔での状況把握が早期復旧に大きな役割を果たしたといいます。結果、九州電力内でのドローン利活用が加速度的に進み、2019年には電力会社ならでは点検ノウハウや知見を活かし「九電ドローンサービス」を開始。自社施設の点検だけでなく、社外向けの事業をスタートさせました。

「ELIOSシリーズ」の稼働率が高い理由

九州電力では2019年から、火力発電所のボイラー点検・煙突内部点検・橋梁点検などにELIOSを活用し、社内での業務効率化を進めています。
さらに、社外のお客様に対しても、煙突内部や橋梁の点検に加え、ダクト内部や水路など様々なインフラ設備点検にELIOSを活用し、多くの実績をあげています。

「非GPS環境や暗所、狭所といった特殊な環境下でも安定して飛行できるELIOSは、九州電力が保有している多くの機体の中でも稼働率も高く、必要不可欠な機体です。」
(九州電力株式会社 テクニカルソリューション統括本部 情報通信本部 ドローン事業グループ 主任 板木 繁樹 氏)

点検時間を半減させた「ELIOS 3」

その性能の高さから、様々な現場で活用されているELIOSシリーズですが、現場を重ねるにつれ、撮影されたデータを元に修繕箇所を特定するニーズが高まっていました。これに対し、ELIOS 3では、LiDARにより施設そのものをリアルタイムで3Dデータ化し、機体の位置を特定することが可能になりました。さらに、最新のSLAM技術により操作性・安定性も大幅に向上し、操縦者の負担軽減と飛行時間の短縮を実現しています。

「ELIOS 3のデモ飛行を体験し、LiDARによる点群データ取得やリアルタイムな飛行軌跡の作成、さらにセンサーにより飛行安定性が格段に良くなったことを実感し導入を決定しました。ELIOS 2と比較し、点検に係る時間は約半分になりましたね。」(板木 氏)

ドローンサービスの全国展開に向けて

九電ドローンサービスは、地元九州の課題解決への貢献に留まらず、全国展開を見据えています。
「今後、九州発のドローンチームとブルーイノベーションがタッグを組み、ELIOS 3での点検業務の効率化・高度化を図るとともに、全国のお客様が求めるニーズやご要望にお応えできるよう、点検ソリューションを共に提供していきたいと考えています。」(板木 氏)

COMPANY PROFILE

九州電力株式会社

本社所在地 福岡県福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号
設立年 1951年
従業員数 5,235名(2022年3月31日現在)
URL

九州電力株式会社
https://www.kyuden.co.jp/

九電ドローンサービス
https://www.kyuden-drone.jp/

事業内容

発電事業
電気・ガスの小売事業
その他事業

※BEPインスペクションとは?

複数のドローンやロボット、センサーなどデバイスを遠隔で制御・統合管理する独自開発のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP:ベップ)」を活用し、インフラ施設や工場・プラントなどの屋内外施設点検をドローンやロボットで行うソリューションです。「作業員の安全性向上」「点検コスト削減」「業務効率の向上」に加え、点検・施設情報の「デジタル化・DX化」を実現します。
>詳しくはこちらをご覧ください

※屋内点検用球体ドローン「ELIOSシリーズ」とは?

ELIOSシリーズは、BEPインスペクションにおいて主に屋内点検で使用するドローンです。Flyability 社(スイス)が開発し、非GNSS 環境下の屋内空間などの飛行特性に優れています。球体状のガードを備え、配管やボイラー、煙突といった人が入れない目視外の狭小空間や危険な場所の点検に適しており、プラントや発電所、下水道などを中心に250ヶ所(2023年3月末時点)を超える屋内施設での点検実績を有しています。

この事例に関するお問合せ・ご相談

ブルーイノベーション株式会社
TEL.03-6801-8781/FAX.03-6801-8782
【お問い合わせフォーム】
https://www.blue-i.co.jp/contact/project/

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