林業事業体向けリモートセンシング研修とは?
研修内容
座学研修
座学ではドローンに関連する法規や安全知識の習得、業務で使える飛行方法・撮影方法や撮影した写真の解析方法についての習得いただける講座をご用意しております。
実技研修
ドローンの基本的な操縦方法から測量に必要な操縦方法まで、実務に近い環境で実技を学ぶことができます。
テキストのダウンロード
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受講生の声
研修を通して一番よかったのは法律のことや
操縦技能など自信がもてるようになったこと。
島根県石央森林組合
事業課 事業課長
山田 秀幸 氏
島根県石央森林組合は、早くからドローンを導入していたが、導入後も手探り状態が続いていた中、本研修を知ったという。山田課長に話をうかがった。
「ドローンを購入したときに使用方法は何となくわかっていましたが、法律もいまいちわからない部分がありました。また、操縦技能の習得も独学だったので、不安なところもありました。」
「研修を受けて、講師から一度しっかりとした講習を受けられたのは非常によかった。現在は飛行計画をしっかりたてられるようになった。研修終了後も疑問に思った事も講師に確認ができ他の人にドローンの事を教える際にも自信をもって教えられるようになった。また、研修に参加していただいた近隣の森林組合と交流し、情報交換できる繋がりが出来たのもよかった。」
現場のスピード感が早まったこともドローンを導入して良かった点だという。
一貫作業が主流になっており、伐採後にすぐに植栽を行うようになりなりました。特にコンテナ苗の準備が重要で「伐採後の面積測量がドローンで出来るようになってから、植栽本数の確定に要していた時間が短くなりました。
「私たちの組合の場合、コンテナ苗の生産も行っているため、本数確定から現地発送まで最短で1日あればできます。ドローンを使用して素早く伐採面積を把握し、コンテナ苗の必要本数を確定させることで、伐採業者と連携して木材の運搬に使っていた架線を撤収する前に急斜面の山頂へコンテナ苗を運搬することができるようになりました。」
研修で得られた成果を話す山田課長はこう続ける。
「今後はドローンを活用した補助申請に向けた取り組みが進むように、オルソ化したデータとGNSSデータでの実績を重ねていき効率よく申請ができるように提案していきたい。」
ドローンの上空から見ることで得られる情報量は多い。
芦別市役所 経済建設部農林課林務係
主事
武岡 悠真 氏
北海道では需給マッチングの円滑化、経営の効率性・生産性の向上、森林情報の高度化・共有化を図るためにスマート林業EZOモデル構築協議会を発足し、林業のセンシング技術を取り入れ、寒冷地ならではの独自モデルを築いている。芦別市役所の武岡主事に話をうかがった。
「ドローン飛行前の安全確認や飛行させてからの安全な飛行方法、GPSが切れた時の対応など実践的なことを学べたので良かったと思います。」
ドローン導入の恩恵は、申請書類作成の簡易化などもあるが、やはり上空から俯瞰できることのメリットは大きいようだ。
「今までは林内に入って標準地調査するだけだったが、ドローン導入により今までの調査と合わせて、ドローンで上から撮影することにより、木々の枝なりの状態や木の密集具合など現在の森林の状況がわかるようになり、それだけでも大きな情報が得られます。ドローンを導入してよかったなと思いました。」
ドローンを使用する中で新たに発見したこともあったという。
「ドローンで空撮をみると、たとえば冬の撮影だとカラマツは落葉の影響により、オルソ画像の作成ができなかったり、オルソ画像の見栄えが悪くなるなど発見があります。オルソ画像にするのに適した撮影タイミングは地元ならではのタイミングがあると思います。今後は、それらの知見を活かしていきたい。」
「これからドローンによる造林補助申請なども始まるので、安全で正確なデータを作成できるようにしていきたい。」
ドローンの活動を通して林業に対する地域の関心を高めたい。
富山県西部森林組合
高岡支所 業務課
技師
岸本 玲子 氏
「私の仕事の主な内容は、山を整備するために、土地の管理者と作業班の間に立って調整することです。その事前確認や工事中、工事後の確認を行うためには現場に入る必要があります。現場を見る際、(全体を把握するためには)google mapを見るしかなく、数年前に撮影された画像が使用されている現場などでは、現況がわかりませんでした。そのため、ドローンで上空から見られるようになったのは、現況を把握できるという点で非常によかったなと思います。また、山林の地権者に対して整備の説明会を行う際にもドローンで撮影した映像を流しており、普段山に入る機会が少ない方にも、自身の山林が現在どのような状況なのか、といったことを理解してもらいやすくなっていると思います。」
ドローンを導入してから変化した点を伺った。
「ドローンを導入する前は、メリットはあるのか?安全に飛ばせるのか?といった否定的な意見も少なくなかったのですが、研修を受けて、山の上でも安全に飛ばせるという実感も湧いてきたのでやっていけそうだと思っています。今後は、安全性と正確性に重点を置きつつ、ドローンを使った測量などの自動化や申請書類の効率化などにも取り組んでいきたいと思っています。」
伐採後の木の利用についても活動しているという。
「用材として現在も用いられているスギと比べ、薪として利用されていた広葉樹はその需要が減ってしまったことにより、広葉樹林は現在過密状態にあります。そこで、現代の需要にあうように、広葉樹をバイオマス燃料のチップに加工したり、シイタケなどのキノコの菌といっしょに原木やオガ粉として販売したり、いろいろ工夫しています。もりもりハウス通信というHPのコーナーを通して情報発信をしたりしています。伐採の様子やドローンを使った活動も組合のHPやYoutubeなどで情報発信していますのでぜひご覧いただければと思います。」
もりもりハウス通信: https://morimorihouse.hatenablog.com/
よくある質問
受講前
- 研修当日の持ち物
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(1)ヘルメット
(2)昼食
(3)ipad(お持ちの方)
(4)動きやすい靴
(5)服装
※必要であればサングラス など
※新型コロナウィルス対策としてマスク
- 研修時の機体について
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機体はこちらで用意しますのでお持ちいただく必要はございません。
Phantom4Pro、Mavic2proを使用いたします。
- Web座学研修に必要なものは何ですか?
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(1)映像を見る事ができるPC※1や携帯端末
(2)受講用のテキスト(郵送します)
(3)PC※2(写真解析実習用)
※1:Web座学研修(動画配信)の際に使用するPCは、ビデオを視聴いただく形式なのでカメラやマイクは不要です。※2:解析実習に使用するPCの推奨スペックは下記の通りです。
CPU : Intel Core i7以降 / メモリ : 4GB以上 / ストレージ : 20GB以上の空き容量 / OS : Windows7/8/10 32bit/64bit Mac OS X Mountain Lion(10.8)以降
- 雨の場合はどうなりますか?
- 延期または屋内での操縦訓練も織り交ぜて実施いたします。事前にご連絡いたします。
- 座学研修はいつ受講できますか?
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ビデオ形式のためご案内メールをお送りした後は、視聴期限までいつでもどこでもご覧いただけます。
※視聴期限は約2週間、24時間視聴可
- 実技研修だけ受講できますか?
- 実技研修を受講するためには最低限のドローンや安全の知識が必要となるため、座学研修の受講とオンラインにて確認テストに合格された方のみ実技研修を受講いただけます。
- 研修で使っているSFMソフトは何でしょうか?
- AgifsoftのMetashapeというソフトを使用しています(無料版)
- オルソ画像と単写真で入手できる情報にどのような違いがありますか?
- それぞれ、入手できる情報は下記の通りです。 オルソ画像:実施面積 単写真で分かるものすべて+面積 単写真:施業の状況、苗木の本数や枯損率
受講後
- 森林や山間部でドローンを飛行させる際にはどのようなことに注意すればよいですか?
- 樹木に覆われている場合や谷地形の場所ではGNSSの受信状態が悪いことから安定した飛行ができない状態で離着陸を行う必要があるため、操縦者には高い操縦技術が求められます。また、傾斜があることから真横に飛行させるだけで斜面に追突し墜落する恐れがあり、衝撃でバッテリーから発火した場合には林野火災も引き起こされることから、十分な安全管理を行うことが重要です。
- ドローンを飛行させるためには資格等は必要ですか?
- ドローンを飛行させるためには、必ずしも資格は必要ありません。
- オルソ画像を作成する際にはラップ率をどの程度で設定すれば良いですか?
- 通常、平地であればラップ率は60から80%とされており、撮影した単写真からオルソ画像を作成することができるが、森林のような起伏があり特徴点が少ないもの撮影する場合はオルソ画像の作成に失敗する可能性が高いことから80~90%以上の高いラップ率を推奨しています。
- ドローンを紛失した場合はどうすればいいですか?
- 土地所有者に届け出て遺失物届を提出してください。
- 写真データはどのように保管すればいいですか?
- NASにより独自に管理する方法もありますが、森林クラウドサービスを活用する方法もあります。
本取り組み
について
林野庁では、2019年4 月から 7 月にかけ、森林整備事業に関わる都道府県・森林組合等の職員やドローン等の専門家等から構成される検討委員会において検討を行い、植付や下刈り・間伐などの施業の実施に合わせた撮影が可能であること、苗木の植栽や立木の伐採の状況がわかる解像度を得ることができることなどから、ドローン等の活用を進めることとしました。
この結果、ドローン等の活用が可能となるよう森林整備事業の申請・検査に関する内規例等が2020年3月に改正され、GIS データ(シェープファイル) やオルソ画像・ドローン単写真等の提出があれば作業前・作業中・作業後の写真を不要とする、ドローン等の画像を含む申請書類で施業の実施状況が把握できる場合には現地検査を省略できる、などの仕組みが盛り込まれ、2020年4月から適用されました。
出典:林野庁Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/j/seibi/sinrin_seibi/attach/pdf/sinsei_kensa-11.pdf )
※この改正では、森林所有者や林業経営体の一部にしかドローン等がまだ普及していないことから、従来の方法での申請・検査も引き続き可能とされています。 本事業は、ドローン等を利用した申請・検査の実現に加え、リモートセンシング技術を利用した森林資源量情報(図1-2 目指すべき森林情報の管理体制)及びドローン等を利用した施業情報(申請・検査も含む)が森林クラウド上で更新・利活用される体制の実現も視野に置きつつ、ドローン等を用いたリモートセンシング技術を森林整備事業に普及させることを目的として、林野庁の補助を受けて実施しているものです。